2015/02/16


最近、Skype Translatorに関する記事を読みました。とてもすごいと思います。だって、その場で自分の言った言葉を翻訳して相手に伝えてくれるんですから。夢のような機能がついに現実になりつつあるようです。

しかしながら、私は一英語学習者として、この素晴らしい機能には限界危険性があると思っています。今回はそれらを私なりの見解で述べていきたいと思います。

細かい部分が伝わらない

一つ目は、言葉の細かい部分が相手に伝わらないということです。いくらSkype Translatorだとしても、細かい部分まで自分の思うように翻訳して相手に伝えることは不可能でしょう。

例えば言葉の使い方言い回しによって、その人の性格や思いを表すことができますが、その細かい部分が伝わらないということは、そういった可能性をなくしてしまうということになり得ます。要は、ロボットと同じです。決められた文でしか話しません。

特に日本語はとても繊細な言語ですから、その部分を伝えられないというのは、「困る」というところまでは行かないまでも、相手がどういった性格なのかを言葉単位で知ることは難しそうです。例えば、日本語の一人称によって、なんとなくその人がどういう人なのかを私たちは勝手に想像します。

「私」「僕」「俺」「うち」「あたし」「(自分の下の名前)」「わし」「わい」(後半2つはどれだけ使われているかわかりませんが笑)。「僕」って使ってるからこの人はもしかしたらこういう人?とか、「あたし」、じゃなくて自分のことを自分の名前で呼ぶの?この人ってこういう人だなー。など、それだけでその人の大体のイメージを作ることがあると思います。

外国人が例えば英語で「I...」と言った時、Skype Translatorは、「この人はこういう性格で、こういうニュアンスで今話したから、『僕』に変えて翻訳しよう」ということができるでしょうか?できるはずがありません(笑)。 きっと全て、「私は・・・」に変えてしまうでしょう。

また、文字での会話と比べて、ニュアンスで相手の言うことを理解できるのが実際の会話の大きな利点であり、そのためにスムーズに素早くコミュニケーションが取れるものだと思いますが、そのニュアンスを伝えることも翻訳では難しそうですね。

さらに、自分が「いつも通り日本人の友達と話すように」話しても100%キレイに翻訳してくれるでしょうか?例えば、私のセカンドブログでは、このブログよりももっと崩した文体で書いていますが、これを天下のGoogleのサービスであるGoogle翻訳で翻訳すると、全く別の意味になります。

試しに、そのセカンドブログの一番最近の記事の一番最初の文を翻訳してみました。

日本語:「前回はなんだっけ?波乱万丈だっけ?

これは、「前回は何を書いたっけ?波乱万丈のことを書いたんだっけ?」という意味を省略して書いた文ですが、みなさんはその後に続く文や、その前回の記事を読んでいれば(またはそうしなくても)、省略された文でもそういった意味だと理解できます。しかしGoogle翻訳にかけるとどうなるかというと、

英語:「And was it what the previous? Was it eventful?

というハチャメチャな英語になりました。最初の文は文が完成していませんし、2つ目の文は「それって大事(な出来事)だった?」というような文になっています。

つまり、私たちがSkype Translatorを使って会話をする際、省略した言い回しを極力避け、なるべく自分の言いたいことがちゃんと翻訳されるような日本語を考えながら話すことになります。これは現在の自動翻訳機能の限界です。

勉強するやる気を奪う

そして、Skype Translator言語学習者を減らすレベルアップを遅くさせるまたは語学学習のやる気を失わせる危険性を大いに持っていると思います。

もちろん、自分の言ったことが翻訳されて相手に伝わるわけですから、勉強をしなくてもある程度の会話ができるところがSkype Translatorメリットですが、それは同時に「勉強しなくてもいいや」ということに繋がっていくことにもなりそうです。

強いて言えば、私が一つ目で挙げた限界を感じた時、それが「これじゃダメだ。自分で勉強してもっとちゃんと伝えられるようにしたい」という思いに繋がることも十分に考えられますが、英語学習を継続させるには、英語を勉強する何か強い理由がなければとても難しいものです。「ああ今日も勉強しなくちゃな。まぁ、でも勉強しなくても会話はできるか」という思いが少しでもあれば、どうしたって怠ってしまいます。そもそも英語なんかなくたって、日本では生きていけるからです。

SkypeSkype Translatorさらに発達させSkype通話をしている時以外でも使えるようにしどんな場面でもしっかりと翻訳ができて、私が上で挙げた限界を取っ払うことができるようなマシンを作れば、言語学習は必要なくなります。世界中の誰とでも会話ができてしまいます。そうなれば最高で、「言葉の壁」も事実上なくなりますが、その日が来るまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

私個人では、第二言語学習者として、他の国の言葉を勉強する楽しさその言葉で会話ができる楽しさを知っていますから、本来であればこういった最高の翻訳・通訳マシンが開発されないことを密かに願っています。なぜなら少し悔しい気持ちも芽生えると分かっているからです(笑)。「俺はこんなに勉強したのに、あいつらはあのマシンで普通に会話してやがる・・・!!!」しかも、その国の言葉を一言も発していないにも関わらずです。

ですから、現段階では、もし今のSkype Translatorが高く評価され、広く日常的に使われるようになれば、たくさんの「言語学習脱落者」を生むことになるでしょう。それが「最高の通訳マシン」に進化する保証もなしにです。特に命に関わることになるような話ではありませんが、国際化が進む今日、第二言語第三言語を勉強する人は多いはずです。そんな人たちのやる気を削いでしまう一因になるかもしれないという意味で、Skype Translatorは危険だと感じました。

それではこの辺で。

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